世界一こんにちは
笹原和也です。
今回は
CG業界で就職活動するのに知っておくとよい情報をお話します。
僕も学生さんの面接をさせて頂く立場なので、
付け焼刃でうまくやるようなノウハウをお教えするつもりはありません。
ですが、不必要な失敗や心配をして、
無駄な労力を使うのはもったいないと思っていますので、
プロダクション側はどんなことを気にしているか?
などを中心にして、
学生のみなさんにもプロダクションさんにも
お得な情報を書きたいと思います。
①就職の成否は80%ぐらいポートフォリオにかかっている。
作品が良いことが一番大事だと思います。
ですが、協調性がなかったり、
頑固すぎる印象ですと、
どんなに作品が良くでもダメなこともありますので、注意です。
制作進行的なお仕事ですと、ポートフォリオではわかりませんので、
面接または「一度試してみる」という形になると思います。
②今のCG業界は全体に景気がすごく良い
パチンコのお仕事などのおかげで、
今のCG業界は全体に景気がすごく良いので、どこの会社も人出が不足しています。
だから、
業界全体的に就職しやすいと思います。
これがいつまで続くかはわかりませんが、
いらぬ心配はせずに、どんどん攻めて行きましょう!
(2013年5月現在は、昔のようにイケイケドンドンではなくなったように思いますが、まだまだ人では足りないように思います。)
③求められる能力
まず、あなたの働きたいと思っている会社が分業しているかどうかで、
求められる能力は大きく違います。
・分業していない会社に求職する場合
モデリングやアニメーションなど、
一芸に秀でていても、全体的に作業が出来ないと採用されないことが多いです。
モデリングからアニメーションまで幅広く出来る必要があります。
・分業している会社に求職する場合
モデリングからアニメーションまで、全体的に出来る必要はあまりないが、
一芸に秀でていたほうが良いです。
分業の程度は会社によって違います。
モデリングとアニメーションでざっくり別けられているところもあれば、
もっと細かく別れているところもあります。
④どんな職種があるか
呼び方や分業のやり方は会社によってマチマチです。
・モデリング系
●キャラクターモデラー
おもにキャラクターのモデリングをします。
●背景モデラー
おもに背景のモデリングをします。
●テクスチャーアーティスト
テクスチャーを描くだけの職種の人はゲーム業界には聞いたことがありますが、
CG業界ではあまり聞かないですね。
・アニメーション系
●キャラクターアニメーター
キャラクターを動かす仕事など、オブジェクトを動かす仕事をします。
●ダイナミクスアニメーター
何と呼ぶかは会社によって違います。
布や髪の毛などをシミュレーションで揺らす仕事です。
イルカではセットアッパーと兼任したりします。
●セットアッパー
キャラクターのオブジェクトに骨を仕込んだり、モデルがアニメーションできるための用意をします。
アニメーターが便利にアニメーションできるように自動化したりもします。
・エフェクト系
エフェクトはアニメーション系からもショットワーク系からも独立している印象です。
●エフェクター
爆発や煙などのエフェクトを作ります。エフェクト専任の人も増えてきました。
・ショットワーク系
ライティング、レンダリング、コンポジットの作業をイルカではそう呼んでいます。
アニメーション系と混ざっている会社も多いです。
CG制作工程の最後のお仕事です。
●シーンメイク
各セクションが作ったモデルデータ、アニメーションデータを集め、完成したシーンにします。
イルカではシーンメイク、ライティング、レンダリングは同じスタッフがやるみたいです。
●ライティング
オブジェクトにライトを当てて、リアルでかっこよくします。
●レンダリング
レンダリングだけで独立している会社はかなりハイエンドな会社です。
シェーディングなど最終的な仕上がりをやります。スクリプトが書ける必要があるかも。
●コンポジッター
レンダリングされた各イメージ素材を合成して完成します。最終工程です。
・エンジニア系
こういう種別で正しいのか疑問ではありますがw。
●エンジニア
正確なことは僕も知らないんですがw、プラグインやスクリプトを書いて、デザイナーさんの仕事が便利にするようにしたり、ワークフローを作ったりする人です。でだいたい合っているはずです。
ILCAでは、ライティングやセットアッパーが兼務したりもしていますし、専任のエンジニアもいます。
⑤人手が薄い職種ほどハードルが下がります。
応募が少ない職種ほどハードルが下がる傾向にあるのは、当たり前のことですね。
現状、 応募が少ない 職種を上から並べますと、
以下の感じです。
(2013年ではセットアッパーがもっとも少ないと思います。)
(少ない)
①セットアッパー
②エフェクター
③ダイナミクスアニメーション
④ライティング、コンポジット、レンダリング、シーンメイク
⑤キャラクターアニメーター
⑥背景モデラー
⑦キャラクターモデラー
(多い)
みたいな感じになります。
⑥自分でチームを作った時のことを想像してみる。
「礼儀作法はちゃんとしてたほうがいいんだろうか?」
学生さんは応募に関して、いろいろな悩みを持つこともあると思います。
その場合は自分でチームを作って、人を募集してみたことを考えてみてください。
そうすれば、自ずと答えがわかると思います。
⑦どんな性質の人が求められるか
プロダクション側がCGのスキル以外にどんな性質の方を好むか考えてみます。
①協調性のある人
協調性がないとチーム制作が難しいので、どんなにスキルが高くても、お願いしたものを作ってくれないとお仕事が成立しづらいです。
②コミュニケーション能力
言ったことが本人に伝わらないと、本人に協調したい気持ちがあっても、
お仕事が難しくなります。
③明るい人かどうか
元気がないと「怒っているのかな?話しかけづらいな。」と誤解を受けますので、
なるべく明るい人がいいですね。
⑦面接で緊張したっていいじゃん!
プロダクションは「面接の時に緊張しない人」が欲しいんじゃないんです。
「優秀なデザイナーさん」が欲しいのです。
緊張していることは問題ありません。
プロダクションさん側も緊張を和らげるムードを出したほうがいいかもしれませんね。
⑧なるべくネガティブワードは避ける。
「モデリング以外のことはしたくないです」
「モデリング能力を主に伸ばしてい行きたいです」
言っている内容は似ていますが、どちらが印象が良いでしょうか?
否定的な言葉はなるべく避けるようにしましょう。
否定的なワードが多い人からは、「視野が狭い」印象を受けます。
普段から心がけておくとよいでしょう。
普段から否定的なワードを使わないことで「視野を広くする」効果もあると思います。
⑨「考えていることを他人に伝える」訓練をする。
僕だけかもしれませんが、
好きな映画の話など、実際のお仕事と関係ないような質問をされたら、それは何を答えるかが重要なのではなく、どんな風に答えるかが重要だと思っています。
考えてみてください。好きな映画を質問して、
「トランスフォーマー」だったら採用で、「片腕カンフー対空とぶギロチン」だったら不採用とか
そんなわけないですよね。
つまり、その質問の答え自体には意味がないんですね。
何を答えてもいい。
重要なのは、「その映画のどんなところが好きか?」をどう説明するか?なのです。
ウチの社長なんかそうですが、
「考えていることをきちんと他人に伝えられるかどうか」を気にしている人が、結構多いです。
これも急に上手くなるものではありませんので、
普段から訓練しておいたほうが良いですね。
そして、訓練すれば、うまくなります!
⑩挨拶は明るく元気よければ、細かいことはどーでもいい
礼儀作法に、そんなに詳しくある必要はありません。
プロダクションは礼儀作法に詳しい人が欲しいのではなく、
コミニケーションがちゃんと出来る優秀なデザイナーが欲しいだけなのです。
周りに礼を尽くす気持ちが表現出来ていれば、
それで充分だと思います。
⑪作品にオリジナリティは必要か?
応募する作品にオリジナリティがあったほうが良いか?
これに関しては、
僕は、スキルがあれば、オリジナリティは必要ない派です。
ですが、
オリジナリティを重視する会社さんもあるかもしれません。
ゲーム会社さんはオリジナリティが大事にする会社もある。と聞いたことがあります。
ゲーム会社のほうがオリジナリティのあるものを作る機会が多いですからね。
⑫作品にストーリー性が必要か?
ストーリー性は無いよりはあったほうが良いですが、
ストーリーを表現するために
動きのない作品になったり、
全体に完成度の低い作品になったり、
スキルの高さを示せなかったりするのでは、
就職するための作品としては、本末転倒になりますので、
注意してください。
⑬パチンコのことをよく知っているとポイント高いです!
当たり前のことですが、
パチンコのCG映像を作っている会社に求職するなら、
パチンコのことをよく知っているとポイント高いです!
学生さんは、パチンコ打ってはいけないんですけどねw!
以上になりますが、
僕の所属する株式会社イルカもよろしくお願いいたします!
http://www.ilca.co.jp/
ありがとうございます!とても勉強になりました!!自分はぱちんこ・パチスロならなんでもやりたいと思っていましたが、それだけではなく、一番何がやりたいか、自分のこだわりを持って、頑張ろう!と勇気が湧きました!!!
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