2010年12月31日金曜日

素人による素人のための企画教室改 その0 「オリジナル企画やる?」

みなさんこんばんは
笹原和也です。

さいきん、僕のお友達との会話でよく話題にのぼるのが
「自分のコンテンツを持つ」ということです。

せっかく「作ること」を仕事にしたわけですから、
できれば、売れたら売れた分だけ自分の収入になるもの作りたいですよね。

でも、
今のCG業界って、そういうオリジナルを作るって文化が
ほとんどなくなってしまいました。
以前は、CG業界にも、オリジナルを作ろうって活気が、もう少しあったんですが、
いまは、一部の方々を除き、ほとんど無くなっちゃった気がします。

というのも、僕らの世代の人たちが2000年前後に
いろいろとオリジナル作品っぽいものをいろいろ作ってはいたんですが、

たとえば、こんなのとか

儲かった人はほとんどいなくって、
その後で、「ほしのこえ」や「スキージャンプペア」「ゴールデンエッグス」など、
僕らのような、ゴリゴリの3DCGを作るんじゃない方たちが台頭してきて、

僕なんかはそうですが、
「ゴリゴリのフル3DCGアニメーションって、やっぱり儲からないんや・・・」
といじけちゃったんですよ。やっぱり。

さらには、2006年までは、
受注仕事である程度、自分の好きなように作れるようになってきて、
それで満足しちゃってて、
オリジナル作品を作る意欲はかなり弱くなってたんですよね。
牙を抜かれてしまったというかw。

一時期、僕にとって、「オリジナル作品を作る」というのは、
達成する気のない「夢」となっていました。

だから、
僕がオリジナル作品を作るまでの過程は10年ぐらいかかっていますw。

自分のオリジナル企画を推進しようとする時に
障害となるのは、以下の四つだと考えています。

①中途半端に目が肥えてしまって、
自分のアイデアを人前に出すのが恥ずかしい!

②そもそも企画を考える文化がCG業界に定着していない。

③CGムービーを作って、それで金を儲けるなんて、
一部のすごい人にしか出来ないだと思い込んでいる。

④受注仕事以外のことをする余裕がない。

これらの障害を解消していかないと
オリジナル作品を作るのは難しいなあと思っています。

というわけで、その解消法を考えますと、

①初めからすごいのを作ろうとせず、
とりあえず、リスクが少ない範囲で始めるのがよいです。
くだらないものを人に見せる訓練もいいですねw!
賢いフリをしないことw。

②これは勉強していただくしかないんですが、
僕のブログでは今後、
その敷居を下げる文章を書いていきます!

③CGでオリジナルをやりにくいのは、そのコストがかかりすぎるのが
その問題ですが、
ひとつの手段としては、コストがかからず作風のものをやると
達成しやすいです。
リアルな人間キャラクターを避けたほうが賢明です。

④これは会社組織としての問題だとは思うのですが、
まずはお金を儲けられる組織にすることが大事ですね。

「1年後には約3割・10年後には約9割が廃業している」という統計があるそうですから、
会社を儲けさせていくことは、簡単なことではないですけど、
コストのかかるCGアニメーションでオリジナルをやるには、
実は必要不可欠なことなのです。

うーん、長くなってしまったので、いったん終わります~。

これからのカメラワーク演出

みなさん、こんばんは
笹原和也です。

笹原和也のANIMATION ADDICTS(仮)
一回目の更新です。

ブログって流れていかないので、
緊張しますね。

このブログでは、
3Dコンピューターアニメーションがうまくなるような記事を中心として、
いろんなことを書いていきたいと思います。

近い将来には、
ソフトを問わないアニメーション制作のコツなんか書いた本を出したいと思っています。

僕が酒を飲んだ時に、一番好きな話題は
やっぱり、アニメーションがどうしたら魅力的になるか?ってことです。
まさにAnimation Addictsなのです。
でも、Animation Addictsってワード、ちょっと、こっぱずかしいですね!

昨日、仲間内の忘年会で印象に残ったことは、
これからのCGアニメーションは
もっとハリウッド的なアトラクション的演出が求められている
ということで意見が一致したことです。

どこかで言ったことがあるかもしれませんが、
トランスフォーマー・リベンジを観たときに衝撃を受けたことがあります。

それは
1時間55分あたりの主人公サムとヒロインが小屋に隠れていて、
敵のディセプティコン達がサムたちを探しているシーンで、
サムが剣で壁に穴を空けると、そこをカメラが通って、
小屋の外をカメラがぐるーっとまわって、ディセプティコンが二人を探す様子を撮って、
小屋の鍵穴を通って、またサムに戻ってくるってカットを見たときのことです。

それを観たときには、
「これって、物語演出的にはNGじゃない?でも、とてもおもしろいよね!」
と衝撃を受けました。

このカットはいわゆる「遊び」のカメラだったのかもしれませんが、
これからのハリウッド映画のカメラワークはまさに「アトラクション的」なカメラワークを
求められていくんだろうな。
と強く実感した時でありましたし、

これからのフルCGアニメーションってのは、
従来のカメラワークによる演出ってのは陳腐化していくんだろうな。
カメラワーク演出には依存していかない
より演劇的な考え方が「おもしろい」とされていくんだろうな。
と、強く思ったのでありました。

Say !! Bye Bye  (シュリケンジャーの決めゼリフ)