2012年9月30日日曜日

フェイシャルアニメーションの分析、テキスト化



今日は外注さんの表情アニメーションの修正お願い用の文章を書いておりまして、
フェイシャルアニメーションの分析としては
なかなか面白いものができたなと思いましたので、
ブログに載せてみます。

いつもここまで細かく書いているわけじゃありませんので、
外注先のみなさんはご注意くださいw。

通常、
フェイシャルアニメーションを作成してもらう時は、
役者さんによる表情の動きを撮影して、
それをリファレンスとして作業してもらっています。

だから以下のリテイク用の文章も役者さんの
顔の動きのうち、重要な要素を抜き出して
「○○に注意して動きをトレースしてください。」
という形になっています。

そうやって書き出してみると、
フェイシャルアニメーションのほとんどが
テキスト化できることに気が付きます。
(膨大な量のテキストになりますが)

また、テキスト化してみると、
目や眉毛の動きは意外に少ないことに気づきます。

テキストに書いていない大前提のルールとしては、
目の動きはターゲット(IK)を使い、視線は顔の動きに追従しないように、視線は独立して動くようにします。

また、上マブタは瞳孔からの距離感をつねに一定にするように動かします。

以下がその修正お願いの内容になります。

およそ10秒のアニメーション スタート151Fです。
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基本的に表情の動きをもっとトレースをお願いします。

特に注意してもらい所を書きます。

★○○○(熱血で元気なキャラクター)

●マユ
「ど○だ」の「だ」の音に合わせて強く眉が上下しておりますので、それを合わせてください。現状でもやってくださってますが、もっと強くしてください。

197Fあたりの手をおろす動きにあわせて、眉を「笑い」から「真剣」に変化させてください。変化がはっきりとわからないほうがよいです。

これ以降はとくにマユの動きは要りません。

●目
188F~200Fあたり
笑った目から真剣な目への変化をもう少し強めてください。

320F~369F
目に力が入って細める動きが2回ののちにマバタキが
入っておりますので、それを入れてください

●クチ
どおだ~の「だ」のクチはこれ以上大きくならないでしょうか?なるべく大きくしたいです。崩れるようでしたら、諦めます。

188F 歯を閉じるときに、下の歯を唇で隠すようにしてください。
歯を出したり隠したりがフェイシャルを自然にする時の大事な要素です。

198F~239Fこの口が開くときも下の歯を見せないようにしてください。

239F~268f 
歯が見えている歯が閉じた状態から、歯を隠す動きをお願いします。隠すと同時に少し力が入った唇の形になります。

338F付近
口が開きます(顎も下がります)が、前歯のみ見えます。

★▽▽▽ (クールで物静かなキャラ)

リファレンスとアニメーションでは首を動かすタイミングが違うのですが、

以下の点に注意してトレースしてください。


●眉
272フレーム付近に眉が少しだけ「怒り」に近づくタイミングがあるので、
それをトレースしてください。
それ以外はあまり動きがないですね。

●目
 顔が本格的に下を見始めるに、すでに視線を斜め下におろしてください。
(視線が動きながらも首は微妙に動くようにしてください。)
視線が下りた際にはマブタも下げてください。上マブタは目をつぶるに近い大きさですが、下まぶたもさがっているので、その隙間から瞳が見える感じにしてください。


264F付近の顔が少しあがるタイミングに合わせて、視線を上げてください。
(まだ画面カミテを見ています。)

0280あたりの首がシモテを見る動き出しの最初にマバタキを入れて視線を動かしてください。マバタキしてマブタが開いたら、視線が変わっている感じです。


0273~0289にかけてジワーっと視線が動いていますが、
視線が動く時はもっと速く動くように注意してください。

それ以外はうまくいっているように思います。

●クチ

以下のような点に注意して、なるべくそっくりにトレースしてください。
(すべての変化を記述しているわけではありませんので、書いてないところもなるべく観察して変化を表現してください。)


0208 下の歯が少し見えるようにお願いします。

0214 歯は閉じるようにしてください。

0216 口を閉じて、チカラを少しいれてください、

0218 唇は開いていますが、歯は閉じています。

0220 すこしだけ歯が開きます。

0224 唇が開いたまま歯が開きます。

0226 唇が一気に閉じます。が、歯は離れています。
(229Fで顎がさらに上がっているため)
closeなどをつかって、唇を巻き込んでいるのを表現してください。

229F 口は開きますが、アゴは上がります。(とじます)

230 アゴが閉じ切ります。唇がすこし上に上がります。

0235 「は」の音で一番歯を開いてください。

241 アゴが一瞬だけ開きます。

253 現状のCGは「ヌ」の音を言い終わってからじわっと口を閉じておりますが、ヌの音の時点で、だいぶ口を閉じた形になっております。
また、次に言い出すまで「ヌ」の形のままです。

0271~0274 UからOの形に変化します

0278あたり「そ○ただ」の「た」の音を繰り返すのに、同じ口の形で アゴが微妙に開け閉じします。

0283「だ」の音で口を大きく開けます。
0283 から下の歯を唇が隠し始めます。 

0287 ~ 301 微妙な変化がありつつも、唇が少しあいて、
歯はほぼ閉じているじょうたいです。

0304 「カ」のタイミングを合わせてください。

0306 「ゼ」で歯を閉じます。

0311 「の」で「オ」のクチをします。唇を丸め、顎を開きます。

0313 「の」からそのまま「マ」の予備動作のクチ閉じに移行します。

0315 「マ」の口を大きめにあけてください。

0318 そのまま口をとじます。「○に」になると思います。

0324 大きな「ウ」の形をします。「ち○のみ」の「ち」の音のようです。

0329 0324から少しだけアゴが開いて「ウ」と「イ」の間のかたちになります。「る」のおとです

0333 「オ」の形になります。顎を大き目に開きます。

0335 「み」の前の唇閉じをします。

0339 「I」と「E」の間のクチをします。少し口が開いています。
0333の時と同じアゴの位置です。

0339~0350 やわらかく唇とアゴが閉じていきます。

これ以降の動きは基本的に要りません。

以上になります。