2012年5月17日木曜日

笹原流アニメーション制作マニュアル

笹原流アニメーション制作マニュアルとは、笹原和也が監督する映像を制作する時に注意してほしいことです。

たくさんのルールを書きましたので、なるべくそれを守って制作していただくと、余計なNGがでなくなりますので、お互いにHappyになると思います。ですが、これらはすべて基本ルールですので、ルールを破るべき時もあると思います。その場合は、ご相談を頂ければと思います。

(みたいな感じでマニュアル化しているわけですが、その一部をご紹介させて頂きやす!)

★カメラワークの基本的なルール



・カメラの位置は意図なく動かさないでください。カメラの移動を試したくなった時は、事前に相談してください。

・カメラの方向のアニメーション(パンやティルト)はカメラターゲットを使ってください。カメラのターゲットは、常に止まらずに、何かしら動かすようにしてください。(詳細は「画面の揺れ、はずし」について)

・カメラの高さは基本的にアオリ中心です。おへそぐらいの高さから狙ってください。水平はほとんど使わないでください。中途半端な俯瞰はなるべく使わずに、ここぞという時に大俯瞰を使うようにしてください。

・カメラの焦点距離は基本を80mm以上としてください。もちろん、例外はあります。

・指示または相談がない限り、各カットごとのアクションはつなげてください。間に別のカットが挿入される場合は別です。

・絵コンテ通り作っても、いろいろな都合でカメラサイズ(バストアップ、フルショットなど)が似てしまうことがあります。その場合は、カメラサイズが似ないよう、なるべくコントラストが大きくなるよう差別化してください。逆に言えば、カメラサイズの差別化がされていれば、良いカメラワークになります。

★カメラの焦点距離について


・カメラの焦点距離は基本を80mm以上としてください。理由は広角レンズで撮られた画面んからは映画っぽい雰囲気を感じないからです。
詳しくはこちらのホームページをどうぞ 「アニメ製作現場のお話」 http://members2.jcom.home.ne.jp/0914488901/anim.html

・もちろん、広角レンズが一切NGというわけではありません。ですが、広角レンズを使うカットは、広角レンズを使わないと撮れない時だけにしてください。意味なく広角レンズを使わないでください。

・長い焦点距離のカメラを使うと、部屋の狭さなどでカメラと被写体の奥行を十分に取れない場合があります。その場合は、壁に穴をあけたりしてください。実写の撮影でもよくやることです。

★良いアニメーションのために三つの要素


良いアニメーションのためには、以下の三つの要素が必要です。
①よいお芝居プラン
②慣性の法則がきちっと表現されている
③予備動作が入っている。

アニメーションがうまくないな。と思った時には 以上の3点の観点で考えてみてください。

★良いお芝居プラン


よいお芝居プランのためには以下のような要素があると良いでしょう。

①キャラクター性やキャラクターのバックボーン、設定がきちんと表現されている。軍隊経験者であれば、訓練された動きなど。

②複数の動作を同時にやる。 食事をしながら会話をしたりとか。警戒中であれば、武器をいじりながらの会話とか。

③役者が自分の置かれている状況をきっちり把握し、それに合わせた小芝居をする。 たとえば、飯屋の暖簾をくぐって出る時に、反対側をちらりと見てから、進行方向にすすむ。(自動車などが走ってきてないか、無意識に確認している。)

④小道具があると色々とラク! 例えば、「カップルがいて、女が男のコーヒーカップに勝手に角砂糖を入れる」それだけで、二人の関係性がわかります。

⑤キャラクターの感情が表現できている。これは一言では説明できませんので、また後日・・。

慣性の法則


慣性の法則とは
物体に外部から力がはたらかないとき、または、はたらいていてもその合力が0であるとき、静止している物体は静止し続け、運動している物体はそのまま等速度運動(等速直線運動)を続ける。

アニメーションにおいて、慣性の法則の具体的な表現例としては、

①物体が動き出す時には、急には動き出さず、 急には止まらない。

②関節のあるものであれば、力が直接加わっている部位とそうでない部分との動きの落差で表現します。

③飛行機が方向転換しようとして、機体を傾けた時に、実際に方向が変わるまでに、時間がかかるのも、慣性の法則です。

④巨大な隕石にロケット噴射口をつけ、ロケットを噴射した時に、実際に動き始めるまでに時間がかかる。

などなどがあります。

基本的に、3DCGアニメーションの世界では、現実世界よりは慣性の法則を効かせる方向で表現しよう。つまり、モノの質量をより高く表現してください。それがカートゥンのデフォルメとは違ったリアルなデフォルメとなります。

ハイスピードカメラで撮影されたものを参考にしてください。ハイスピードの世界では、モノは想像以上に曲がっています。

★アクションの動きのキレについて

アクションの動きにキレを出すにはどうしたらいいか?を考えてみる。

動きのスピードが単に速ければいいのか?であれば、動きを早送りすれば良いのですが、うまい感じに見えないことは試してみれば、わかります。
では、何が大きく違うかというと、動きの「残し」の大きさであります。

慣性の法則を考えるといいのですが、「残しの大きさ」は「先端の重さ」、「関節のやわかさ」、「動きのスピード」できまります。
動きが速いのに、残しが小さいということは、「関節が異様に硬い」か、「先端が軽い」ということになります。

打撃のパワー感を強くするのであれば、先端は重くなるようにするべきですから、
早く動いてかつ、残しを大きくすれば、いわゆる「動きのキレ」が表現できるのではないか。笹原はそう考えております。

★予備動作について

予備動作は「パンチを打つ時に打撃方向とは反対に手を引く」など、本動作をやるための準備の動作です。
刀を振り下ろす時の刀の振りかぶり、ジャンプをするために膝や腰を曲げる。なども予備動作です。
わざわざ予備動作として認識せずとも、普通にやっているものも多いでしょう。

予備動作の目的は、観客に次の動作を予測させ、わかりやすくするためです。

とくに素早い動きをする時に有効です。
予備動作があることで本動作がとても速くても、人の目に認識しやすくなります。
動きが速すぎて見づらい時は予備動作をしっかり表現してください。

ボクシングなどの格闘技で言えば、相手に次の行動を悟られないために、なるべく予備動作はないほうが良いのですが、アニメーションの世界では、視聴者になるべく次の行動を悟らせるようにしてください。

2012年5月14日月曜日

シュライヒランドというお店に行ってきました。

こんにちは 世界一です!

最近の長男はチーターをはじめとするネコ科の大型動物がすきなので、
下北沢にある動物のフィギュアを主に扱っている
シュライヒランドというお店に行ってきました。

そこにある素晴らしいフィギュアの数々
動物フィギュアはそんなに好きじゃなかったんですが、
そのクオリティの高さに
それなりの値段と相まって、僕はもうクラクラしちゃいました。

ネットショップはこちらかな?

いやー。いろいろと影響を受けちゃいました!!

 シュライヒというブランド?の戦闘象

恐竜たち


 これはPAPOというブランド?の恐竜です。
良く出来ていてビックリします!!



これはSafari(サファリ)というブランドみたいです。
これはとにかくでかい!

獣人たち これもPAPOです。




2012年5月8日火曜日

BATTLE SHIP を観てきました!

映画 「BATTLE SHIP」 観てきました。
とても素晴らしかったです。

ツッコミどころがあるのかもしれませんが、
それを考えるだけ面倒くさくなるような作品でした。
突っ込むだけ野暮というか、

ドラえもんを観て「未来からネコ型ロボットなんて来るわけないじゃん!」
というようなレベルです。

そして、
作劇的、キャラクター的には矛盾はまったくなく、
すべてに筋が通っていて、
シナリオ的にいわゆる「積んである」のが、
とても気持ちよかったです!

つまり、どんなに無鉄砲な行動をとっても、
無鉄砲をやるキャラクターなのであれば、
作劇的にはむしろ正しいのです。

さらには「エイリアンを知恵と勇気と根性でやっつける!」
というテーマが一貫していて、
これでもか、これでもかと 「知恵と勇気と根性」を振り絞ります。
これがまたまた気持ちいいのです。

浅野忠信が主役に近い位置にいるのも、
日本人的な「知恵と勇気と根性」を
表現したかったのかもしれませんね。

自分の映像づくりの信念に勇気をもらったような
そんな素晴らしい作品でした。

「第九地区」以来の感動をもらった作品でした~!

フゥー!

世界一!

以下、良かったところです。

(すこしネタバレ含みます。)









































①冒頭の主人公がヒロインを口説き落とす方法が、素敵で、かつ、主人公のキャラクター性をよく表現しているところ。

②主人公がなにかをやろうとすると、かならず 「そんなの無理ですよ!」って言うキャラクターがいるところが、基礎的なことだけど、すごく効果的に思いました。

③ミズーリを動かそうとする時、式典にいた「あの人たち」がなぜか駆けつけているところ。しかも、なんとなく納得してしまうところ。

④1トンの砲弾をみんなで運ぶところ。「知恵と勇気と根性でエイリアンをやっつける」を体現している、もっとも象徴的なシーンだから。

2012年4月3日火曜日

CGアニメーションにおける専門用語の共通化 ①ガンプラ持ち

①ガンプラ持ち
刀や剣の持ち方のダメな持ち方。掌に対して垂直に刀を持っている状態を指します。
これは昔のガンプラのビームサーベルの持ち方がコブシに垂直に刺さっていたことから由来します。(というか、僕が呼んでいるだけですがw)

がっちり垂直に握った状態では、この角度↓が限界です。


ですので、掌に対して刀が斜めになるよう握ってあげる必要があります。
これは人間であれば、意識することなく普通にやっていることですが、
CGアニメーションでは忘れがちになることです。
正しい握り方はこのサイトなどを見て参考にしてください。

2012年4月2日月曜日

フェイシャルアニメーションのいろいろを語ってみる。

こんにちは世界一

笹原和也です。

今日は、
先週の飲み会でスタッフさんとフェイシャル談義を出来てたのしかったので、
フェイシャルアニメーションのあれこれを語ってみようと思います。

①「喋り終わった口をいつ閉じるか」にすごく悩んでいたこと

実際に喋ってみるとわかるのですが、喋り終わりと同時に口を閉じるわけじゃないんですよね。
たいていの場合は、言い終わりは口が開いているわけで、
喋り終わってすぐに口を閉じるわけじゃないんです。

かといって、
どのタイミングで口を閉じるべきかが試してみても、しっくりこない。

というか、
どのタイミングで閉じても、なにか不自然なのです。
そういうことに注目し始めると、気になっちゃうのか、
別の理由で不自然だったのかもしれません。

結論としては、
実写で役者さんの動きを撮影して、そのタイミングに合わせて閉じる。
という方法を選びました。

②フェイシャル参考用に実写を撮る。

僕はフェイシャルアニメーションを作る時の参考用に
必ず役者さんで実写を撮ります。
ハイスピード撮影なシーンだったら、ハイスピードカメラで撮影しますw。

それぐらいに資料を用意してフェイシャル作ってもらうのですが、
役者さんの演技の時点で、けっこうNGを出します。
役者さんを撮影する段階で悩んでおけば、
作るべき表情アニメーションのお芝居が明確になりますから、
手付けアニメーション段階での試行錯誤が少なくなります。

実際に手付アニメーションの段階で悩んでしまうと、
作ってから見るまでのコストが高いので、あまり悩めなくなります。

ただ、アニメーターさんはちょっとつまんないかもしれないですね。

撮影の際は、
フェイシャルアニメーションを作ることを見越して、
動きは多めにしてもらいます。
動きが少なめになりそうな場合は、視線の移動をいれてもらいます。

ただし、視線の移動は全身のアニメーションに関係してくるので、
本来であれば、
全身のアニメーションの時に、視線も考慮しておくべきですね。

動きを多めにしてもらいたいけれども、
マバタキはしちゃダメと言います。

③マバタキをしない。

上にも書きましたように、
僕は3DCGのキャラクターがマバタキをするのがあまり好きではありません。
マバタキをすると、なんとなくイキイキするのですが、場合によっては、芝居として適切でないことが多いからです。
特に戦っているシーンにマバタキは要らないと思います。

今作っているんのはぱちんこ用の映像なんですが、
ぱちんこ用の映像って、戦うシーンが多いんですね。
なので、気がついたら、
5分以上のフェイシャルアニメーション作っているのに、
マバタキを一回もしてなかったのです。
マバタキの存在自体を忘れていましたw。

それはさすがに僕も驚きましたが、
でも、目線の動きが多ければ、特にマバタキは必要なくても
充分にイキイキして見えるなーと思います。

以上です。



2012年3月30日金曜日

CGアニメーションにおける専門用語の共通化

CGアニメーション制作を監督する時に、やっとくと便利なのが、専門用語の共通化です。

たとえば、僕は刀のダメな持ち方の例として「ガンプラ持ち」という表現をしますが、
その意味を知らない人にとっては、「なにそれガンプラ持ちって?」ってことになります。

でも、それをいちいち説明していたら、時間がもったいないし、
わかってないのに、わかったフリをされても困るので、

事前にペーパーなどで説明しておくと便利だなと思うことになりました。
せっかくなんで、ブログに書いたら一石二鳥だなと思って、ブログに書くことにします。




ディレクションの際の言葉の使い方

塾長ブログを読み返してみたら
良いことが書いてあったのでw、すこし改変して掲載してみますね。



ILCAはスタッフ数が多いので、
僕だけがディレクションするわけではなく、ディレクターと名のつく人はたくさんいます。

また、大きなプロジェクトでは、
アニメーションチーフと呼ばれる、
僕の補佐として、アニメーションの指導をする人もいます。

僕はそのシーンの求めている芝居や感情を説明し、
上がってきたものに対して、アニメーションが足りているか足りていないか、
足りていなければ、どんなところが足りていないかを説明し、

足りていない部分をどうやったら実現されるかは
アニメーションチーフが実現プランを考え、担当アニメーターに指導します。

僕が指導する立場となる人間に
注意していることは
「使う言葉はなるべく平易なものにしなさい」
ということです。
「高い」「低い」「速い」「遅い」「長く」「短い」「重い」「軽い」などなど、あと、数字です。

誰が聞いても、意味を取り違えない言葉を使うように指導します。

逆に
使ってほしくない言葉のひとつに
「しなやか」があります。

「しなやか」はgoo辞書によると

(1)柔軟で、弾力に富んでいるさま。よくしなうさま。
(2)動作・態度に角張ったところがなく、なよやかなさま。たおやかで優美なさま。

ということなのですが、
人によっては、「しなやか」の意味を
「やわらかい」ぐらいにしか認識していない人がいると思います。

そんな、
人によって捉え方が違う可能性が高い言葉を使うと、
誤解の元になっちゃいます。

また、
僕は
「アレ」とか「ソレ」とか、指示語を連発するのもあまり好きではありません。
これも、
誤解の元だからです。

クライアントさんのことを「むこうさん」っていうのが特にきらいですw。


(おわり)